パリで起きた同時多発テロで、少なくとも128人が死亡し、約300人が負傷しています。フランスのオランド大統領は14日のテレビ演説で、「『イスラム国』(IS)というテロリストの軍隊が犯した『戦争犯罪』」と断定しました。

ISは同日、「フランスのIS」として犯行声明を発表。フランスが加わっているシリアのISに向けた空爆などを非難し、「我々の預言者を侮辱したフランスや他のキリスト教国は、一番の標的であり続ける」としました。

フランスは、昨年9月からイラクのISに向けて空爆を開始。今年9月にはシリアでも空爆を始めています。

新聞やテレビのニュースはテロ関係のニュースであふれていますが、ここで改めて、「IS」が生まれた原因を確認してみたいと思います。

アメリカによるイラク戦争から生まれたIS

きっかけは、アメリカによるイラク戦争でした。2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが勃発。テロを支援し、大量破壊兵器を持っているとして、アメリカはイラクへの攻撃を開始しました。これにより、イスラム教スンニ派のフセイン政権が倒れ、イラクはアメリカの占領下に置かれました。

その後、イラクでは、多数派のシーア派が政権を握り、スンニ派は弾圧を受けました。スンニ派はこれに反発して、2004年ごろから過激派組織が毎日のようにテロを行いました。このころから、ISの前身は過激なテロを始め、その一部が2008年からISと名乗るようになりました。

2011年に米軍がイラクから完全撤退すると、シーア派政権は、ますますスンニ派への弾圧を強化しました。こうした宗教対立が激化する中で、ISは勢力を拡大させていきました。

中東地域で行った欧州の植民地支配に原因がある

歴史をさかのぼると、この地域での争いの種が、欧州の植民地支配によってまかれたことが分かります。

第一次大戦でオスマン・トルコ帝国が敗れると、宗教や文化が異なる部族が混在していた中東地域に、英仏などが一方的に国境を引き、植民地にしていきました。現在ISは、独自の支配地域をつくろうとしていますが、これは約100年前に欧州が勝手に引いた国境を引き直す運動とも言えます。

国際的に流れているニュースは、欧米マスコミが発信しているものが多いです。そのため、日本人もキリスト教的な価値観で中東問題を見てしまいがちです。しかし、この問題をイスラム教国の側から見ると、彼らの理屈にも一定の大義があることが分かります。

もちろん、罪のない市民を巻き込むテロは許されません。憎しみの連鎖を断たなければ、これからも多くの人の命が奪われかねません。こんな時だからこそ、キリスト教国の欧米側も、イスラム教国も互いの言い分に耳を傾ける努力をすべきではないでしょうか。(泉)

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幸福の科学出版 『ムハンマドよ、パリは燃えているか。―表現の自由VS.イスラム的信仰―』 大川隆法著

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