アメリカCIA長官らの個人情報がハッキングによって漏れる事件が相次いで報じられた。

ジョン・ブレナンCIA長官、ジェイ・ジョンソン国土安全保障長官の私用アカウントがハッキングされた事件について、FBIが捜査を開始した(19日付CNN)。記事では、米ニューヨーク・ポスト紙によるハッカーを名乗る人物のインタビューが紹介されている。驚くことに、このハッカーは、コールセンターに電話してブレナン氏の個人情報を聞き出し、パスワードをリセットしたと話しているという。

また、ブレナンCIA長官のパスポート番号、身内の住所などを含めた個人情報が、告発サイト「ウィキリークス」によって公表された(22日付CNN)。ウィキリークスはツイッター上で、ブレナン長官の電子メールを追加公開する計画を示唆しており、その中にはアフガニスタンやパキスタンでのアメリカの戦略に関するメールも含まれるとしている。

もしマイナンバー情報がサイバー攻撃を受けたら?

これは日本にとって他人事ではない。来年1月からマイナンバー制度が始まるからだ。

マイナンバー制度は、国民1人に1つの番号をつけ、その番号で銀行預金や税金をはじめとする個人情報を取り出せるようにするというものだ。この制度は情報管理の手間を省くために設けられたものだが、大きな欠点がある。1つの番号ですべてのデータを取り出せることによって、サイバーセキュリティがとても弱くなってしまうということだ。

今回事件が起こったアメリカは、軍にサイバー攻撃対策の人員として数千人が配備されている。官民協力してサイバー攻撃対策を行う取り組みもある。そのアメリカでさえ今回のような被害にあっている。また、アメリカが受けているサイバー攻撃は今回に限ったものではない。

日本でもマイナンバー制度の施行に際して、サイバーセキュリティーセンターの職員を130人に増やすなどして対策を進めているが、アメリカに比べて圧倒的に少ない。そもそも日本は、サイバーセキュリティが万全とはいえない。年金情報の大量流出という出来事がそれを物語っている。

国民にとって、銀行預金などの財産を丸裸にされる上に、そうした情報が漏れる危険が増すのがマイナンバー制度だ。政府は今一度、制度の実行を見直すべきだろう。(祐)

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