排気ガス量の不正操作を受け、独フォルクスワーゲン(VW)のマーティン・ウインターコーン氏が最高経営責任者(CEO)を辞任しました。その後任をマティアス・ミューラー・ポルシェCEOが務めることが決まりました。

VWのディーゼル車には不正ソフトウェアが組み込まれ、そのソフトが米環境保護局(EPA)による排ガス成分の試験実施を検知。試験の時だけ排ガス量を減らす装置を作動させていました。最大で基準の40倍の窒素酸化物を排出したディーゼル車もあったといいます。

VWはこの不正ソフトを搭載した車が世界で1100万台に上る見込みだと発表しています。EPAは米市場で販売されたVWのディーゼル車約48.2万台にリコールを命じ、米当局は大気浄化法違反で制裁金としてVWに180億ドル(約2.2兆円)を課す見通しです。その他にも、ドイツやイタリアなどの欧州各国や中国、韓国なども調査に乗り出しています。

この不正でVWの信頼は大きく失墜。株価も大幅下落しており、業績悪化も不可避と見られます。本欄ではこの事件から学ぶべき教訓について、考えてみます。