日本新聞協会は、9月初旬に提出された財務省の消費増税分の還付案に反対する声明を発表した。加えて、新聞に対し消費税率を低く抑える軽減税率を適用するよう求めた。「知識への課税は最小限度にとどめるべき」だからという。

2017年の消費税率引き上げに向けて、軽減税率制度についての議論が活発になっている。軽減税率の導入を推進してきた公明党は、商取引の際に発行する請求書において、軽減税率の対象品に印をつけて区別するなどの独自の案を固めた。一方、経済界は、税率が複数になると日々の事務処理が煩雑になるため導入に反対している。

消費減税で日本経済を活性化し、税収増を目指せ

しかしなぜ、マスコミは「消費減税」を主張しないのか。

読売新聞は16日付の社説で「先進国最悪の財政事情を抱える日本ではいずれ、消費税率の10%超も視野に入ってくる」と述べている。また、毎日新聞は11日付の社説で「巨額の財政赤字を考えると、将来の(消費)税率引き上げは避けられないだろう」と主張している。

「財政再建のために、消費増税やむなし」という主張のようだ。だが、これは本当か。

経済学者の高橋洋一氏は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国で財政再建に取り組んだ事例を見ると、名目GDPが高くなった国で財政収入が上がっていると主張する。また日本でも、名目GDP成長率は翌年の財政収入に強い相関があるという(2012年6月14日ダイヤモンドオンライン記事)。

つまり税収を増やすには、減税を行い、経済成長率を伸ばすことが重要ということだ。

しかし、日本には「貯蓄は美徳」という考え方があるため、「消費税」は、浪費に対して罰金として税金を払う「浪費税」ように聞こえてしまうところがある。欧米との文化的な違いもあり、消費税を上げても財布のヒモが固くなって、消費は冷え込むばかりだ。

つまり、消費税を上げれば、税収は減り、財政再建はできない。まったく「増税やむなし」ではない。

マスコミは軽減税率の適用でなく、消費減税を求めるべき

正論を述べるなら、新聞や出版物に軽減税率の適用を求めるのでなく、「消費増税に反対」すべきだ。

そうしないところを見ると、マスコミが財務省に対して媚を売り、軽減税率を適用してもらう代わりに消費増税に賛成していると思われても仕方がない。

政府は、減税を行い、経済発展などで税収を増やす方針に転換すべきだ。またマスコミは、目先の利益に捉われず、「公器」として、国の取るべき方針について嘘のない主張をすべきだ。(泉)

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幸福実現党刊 『幸福実現党テーマ別政策集 2 「減税」』 大川裕太著

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