上海ユダヤ難民記念館(画像は Harvey Barrison/ flickr )。
中国が戦前、ナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人難民約3万人が上海に渡り、生活していたことを示す資料を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に申請する動きが出ている。
「抗日戦争勝利70周年」の今年、ユダヤ人保護に貢献した「人道国家」としての歴史を世界にアピールする狙いがあると見られる。このほど産経新聞が報じた。
記事によると、今回の申請を中心的に進めているのは、中国の「上海ユダヤ難民記念館」。同館は、集めた難民の名簿や証言、遺留品などの登録申請を政府に呼びかけている。しかし、当時、難民保護に積極的だったのは日本軍だった。日本軍は、上海の日本人居留区に「無国籍難民隔離区」を設置して難民を住まわせたが、中国側はその歴史をほぼ無視した形で申請を準備しているという。