G7がロシア産石油に価格上限を設けるも、実効性に疑問 ウクライナ停戦を見定め、ロシアとの共存を目指すべき

2022.09.05

サハリン2・プリゴロドノエLNG基地の桟橋を発着するLNG船。

《ニュース》

先進7カ国(G7)はオンライン財務相会合で、ロシア産石油の取引価格に上限を設ける追加制裁の枠組みを12月に導入することで合意しました。

《詳細》

ロシア産原油の上限価格は12月5日、石油製品は2023年2月5日に導入する方針で、ロシアの石油会社が生産コストを賄える水準に設定するとみられています。

上限を超える価格で取り引きされたロシア産原油や石油製品を運ぶ船舶には、保険を提供しないよう保険会社に義務付けるとしています。事故の際の海運会社のリスクが増大するため、実質的に取引を封じつつ、エネルギーの調達を進めることを目指しています。

G7は既にロシア産石油の輸入を段階的に止める方針でしたが、この措置によってG7各国がロシア産石油を輸入できるように設定するとしています。G7の影響力が大きい船舶保険を利用して、中国やインドなど、ロシア産石油の輸入を増やしている国を制裁に巻き込むことが目的とみられています。

この措置の発表後、ロシア企業のガスプロムは、欧米向けのガスパイプラインであるノルドストリーム1の不具合を理由に、供給停止を延長すると発表しました。ロシア側は「価格上限を設定する国に石油を輸出するつもりはない」と述べています。

なお、この措置はエネルギーの安定供給に支障が出る場合は例外扱いとされているほか、実効性には疑問が持たれています。理由は、以下の通りです。

《どう見るか》

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